こんにちは、プリンセスプリンプリン
です。
これはスイスに住んでいた女性が、旅行先のアフリカで出会ったマサイ族の
戦士との出会いと別れまでをづつった、ノンフィクション
です。
日本では講談社から2002年9月に出版され、全世界で300万部を突破し
2005年にはドイツで映画化
もされたそうです。
そんなことは全然知らず、ノンフィクションのおすすめ本として紹介されていたので
買ってみようと思ったら、新刊の在庫がなく、amazonで中古を購入しました。
注文してから本が届く間、ちょっとだけネットで検索してみたところ
この本の感想を書いてる人がたくさんいらして、意見はさまざま。
情熱的で素敵だという意見から、文化の違いくらい最初から解かるだろう!
・・・というちょっと厳しい意見まであり。
皆さんそれぞれが、いろんなことを考えされられる一冊になったようです。
まだ原作を読む前だったので、感想はサラっとしか読まなかったのですが
ほとんどが女性の方の意見でした。
男性の方は、あまり興味持たない内容なのかもしれませんね。
この実話のあらすじは、主人公であるスイス在住の女性が、アフリカ旅行中に
マサイ族の男性に恋をし、スイスで経営していたお店や家具や車など処分。
アフリカに渡り、マサイ族の家屋で男性家族と共に生活をスタート。
生活のためにスイス時代に貯めたお金で車を購入し、ジャングルを走り
雑貨屋を経営。マラリヤに感染しながらも結婚し、女の子を出産。
何事もスムーズにいかないアフリカでの生活に苦しみながらも
懸命に働いて生活を支えますが、疲労、病気、誤解などから
ケンカが増え、お互いに不信感がつのり、最後は主人公がスイスへ帰国。
アフリカには二度と戻らないむねを書いた手紙で終わります。
私がこの本を読んで一番思ったことは、教育がどれほど大切かということです。
主人公の女性は、フラン人の母とドイツ人の父の間に生まれ、20代後半で
スイスでブティックを経営をしており、経済的に自立した女性です。
いっぽう、相手の男性は、牛糞で作った家に住み、戦士ですが安定した収入はなく
学校に行ったこともなく、読み書きや計算もできません。
国の違い、人種の違い、言葉の違い、風習の違い、生活の違い、貨幣価値の違い
・・・など、あげればきりがないくらい、最初から何もかもが違う二人。
そのどれもこれも違う中でも、もっとも切実に感じたのは、教育の違いでした。
マサイ族の方が、誰もが読み書きや計算ができないわけではありません。
主人公が恋したマサイ族の男性は、学校には行っていませんでしたが
この男性の弟は学校
に通い、読み書き計算はもちろん、英語も話せます。
結果的に二人の生活は、およそ4年で破局をむかえることになるのですが
もしも、主人公が恋した男性も、この弟のように教育を受けていたら
どうだったでしょうか。
破局の原因は教育の違いだけではないと思いますが、どうしても私は
もしも彼に教養があったら・・・と考えずにはいられないのです。
教育を受けていれば、学問や知識を学ぶだけでなく、それらを通し心の豊かさや
物事に対する理解力がつき、それは社会生活を営む上で大切な土台となります。
それがあれば、このマサイ族の男性も、自分の民族の風習や文化だけでなく
もっと広い視野で物事をみることができ、自然と共存するだけでなく
異人種との共存も柔軟に考えられたら、彼がもっている勇敢さややさしさは
もっともっと活かされ、主人公の女性との関係も、また違うものになった
・・・のではないかと思うのです。
私たちは、ある程度健康であれば、ほとんどの人が年齢に達すれば
教育を受けることができますが、そのあたりまえがない世界で生きてきた人と
もしも生活を共にすることになったら、いったいどうしたらいいのでしょう。
教養があって、裕福であっても、民族や文化にそれほど誇りをもってない私達と
教養がなくても、貧困であっても、誇り高き人々。
違いすぎる人と人の接点は、どこにあるのか。
どうやったら作れるのか。
普通なら戸惑い躊躇する現実に、主人公は果敢にも飛び込んでいきます。
これが作られた物語だったら、ここまでは思わなかったかもしれません。
でも、これは実話。
現実にあったことだと思うと、驚いたり、愕然としながらも、しぜんとこの二人を
応援する気持ちをこめて読み進み、そして、読み終わりました。
この主人公の女性、このような決断と行動をするだけでも、すごいのに。
それだけで終わらず、自ら本を出版。
この潔さも、すごいなと思います。
主人公の女性が経験した、およそ4年間のマサイ族の男性との生活と
その時々の心情や葛藤を、世間に発信したことは衝撃的であり
読む人の胸にさまざまなものを残したことでしょう。
私もその一人として、この実話を読ませてもらえたことに感謝しています。
主人公がマサイ族の男性と出会ったアフリカ旅行が、1980年代後半ですので
あれから20年以上の月日
が経過しました。
この本が出版された当時のインタビューで主人公の女性は、娘を連れて
アフリカを出た後、スイスへ帰国しそこで生活をしていることを語り。
マサイ族の男性については、現地の女性と結婚し娘が誕生したと答えています。
この本には、主人公の二人以外に、主人公を助けてくれたお医者さんや現地の人々。
力を貸してくれた現地在住の外国人など、たくさんのアフリカ在住の方が登場します。
現地の方の中には、本が出たことも知らず、またそれを読むこともできない方も
いらっしゃると思いますが、皆さんが健やであることを願っています。